狭帯域整合は、中心周波数において整合を行い、他の周波数に関してはその結果を受け入れるというものです。
図2のえんじ色の軌跡が検波ダイオードの S11 です。
倍電圧検波回路ですので、直列のキャパシタ C2 が必要になります。
C2 の値は使用する周波数において十分小さなリアクタンスになるように選びます。
紺色の軌跡が C2 を経た S11 です。
まずここで、中心周波数において単位インピーダンス円上に乗るように並列のインダクタ L1 を入れます。
水色の軌跡が L1 を経た S11 です。
最後に中心周波数において整合するように、直列のキャパシタ C1 を入れます。
緑色の軌跡が C1 を経た最終結果の S11 です。
このようにして得られた結果は、リターンロス 20dB 以上の条件で考えると、約 200MHz の帯域のものとなりました。
広帯域整合は、使用する全ての帯域に対して最良の整合となるように整合を行います。
ここでは、携帯電話の 800MHz, 1.5GHz から 無線 LAN や IMT2000 などの 2.4GHz 帯までを
カバーすることを目標に、800MHz〜2.5GHz に対して整合を試みています。
図4のえんじ色の軌跡が検波ダイオードの S11 です。
バンドエッジのインピーダンスの比がバンドエッジの周波数比になるように L1 を、
バンドエッジが同じインピーダンス円上になり、単位インピーダンス円に対して対称となるように
L2 を入れます。
紺色の軌跡が L2 を経た S11 です。
水色の軌跡が L1 を経た S11 です。
バンドエッジが純抵抗線上にのるように C1 を入れます。
緑色の軌跡が C1 を経た最終結果の S11 です。
このようにして得られた結果は、800MHz〜2.5GHz においてリターンロス 20dB 以上のものとなりました。