部品の個性を知る−分解の奨め

部品の個性を知るために、部品を分解してみることをお奨めします。分解するこ とによって学ぶことは多くあります。ただし、ガス封入リレーや水銀スイッチ、今 となっては見かけなくなりましたが、PCBを使用したコンデンサ、液晶、絶縁体 に酸化ベリリウムを使用しているものなどは、破裂事故や、発ガン、中毒などの危 険を伴いますので分解は行ってはなりません。

 コンデンサ。基本的な電子部品の中でコンデンサほど多種多様の物は無いでしょ う。これは、何にでも使える万能なコンデンサが無いということでもありますが、 それぞれの種類ごとの個性を知って特徴をいかす使い方ができ選択の範囲が広いと いうことでもあります。手持ちにフィルムコンデンサがあったら分解してみて下さ い。プラスティックフィルムが金属フィルムで挟まれ、ぐるぐる巻きになっている のが判ると思います。ぐるぐる巻かれている、ということは十分インダクタの成分 があるということですから、高周波には適さないのが判りますね。ところで、巻き はじめに片方のリード線が、巻き終わりにもう一方のリード線が圧着されているは ずですが、巻きおわりの外側になっている電極どちらのリードに接続されていまし たか。通常は、点などのマーキングで巻きおわりが表示されています。高インピー ダンス回路や微少信号を扱うところでは、巻きおわり側を低インピーダンス側に接 続するようにします。

主なコンデンサの種類と特徴

 抵抗。これも基本的な電子部品で多種多様の物があります。これも試しに分解し てみましょう。良く使われる、P型アキシャルリードのカーボン抵抗を用意して、 表面の塗装をはがしてみましょう。円筒型のセラミックの表面に抵抗体が焼き付け てあり、それに螺旋状に溝が切ってあると思います。ということは、インダクタの 成分があり、溝は分布容量になっているということが判ります。インダクタの成分 を減らし、容量を減らすために平板型になっている抵抗もあります。低抵抗のチッ プ抵抗は、周波数特性も良くUHF帯でも使用できるものとなっています。

主な抵抗の種類と特徴

 その外の部品も、機会があったら分解してみましょう。新しい発見があるかも知 れません。

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