ループフィルタとωn, ζ

周波数を変化させたときの過渡応答を考慮し、 固有周波数 fn = 50[Hz] に設定するとする。

ωr / ωn = fr / fn …(8)
= 12.5 [KHz] / 50 [Hz] = 250
ωn = ωr / (fr / fn) = 2π * 12.5 [KHz] / 250 …(9)
= 314.16 [rad/s]

ダンピングファクタ ζ = 0.7 に設定する。

ループフィルタにラグリードフィルタを用いるとすると、
Lag-lead filter
lag-lead filter
ラグリードフィルタの ωn、ζ はそれぞれ次式で表される。

ωn = √(K / (τ1 + τ2)) …(10)
ζ = (1/2) (τ2 + 1/K) ωn …(11)

(10)式より、

ωn2 = K / (τ1 + τ2) …(12)
だから
τ1 = K / ωn2 - τ2 …(13)

(11)式より、

τ2 = 2ζ/ωn - 1/K …(14)
τ2 = 2 * 0.7 / (314.16) - 1/2,417
  = 4.04e-3 …(15)
τ1 = 2,417 / (314.16)2 - 4.04e-3
  = 20.1e-3

C = 2.2 [μF]とすると
R1 = τ1 / C, R2 = τ2 / C であるから

R1 = 9.15 [kΩ]
R2 = 1.84 [kΩ]
となる。

なお、実際に使われるループフィルターでは、比較周波数の整数倍のスプリアス低減と、
発振回路からの高周波のデカップリングのために、過渡特性に影響の無い範囲で
下図の Rf, C' のようにフィルタを追加して使用することが多い。
実際のフィルタ例
lag-lead filter

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