4石、多重帰還型差動出力アンプ (LTspice シミュレーション)
細田 隆之
Rev.0.22 (Oct. 29, 2023)
1990年代にバイポーラトランジスタ4石の多重帰還型差動出力アンプを設計したときに行った SPICE3 でのシミュレーションを LTspice XVII 用に書き直したものです。
シミュレーション結果では、 Ga = 23 dB, fc = 2 MHz, THD ≃ 0.18 % (fin = 100 kHz)
が Vout(p-p) = 2.8 V, Vcc = 5.0 V, Rload = 2 kΩ の条件で得られています。
シミュレーション回路
2つの電流帰還型アンプをリング状に接続し、一方の非反転入力を直流バイアス入力、もう片方の非反転入力をオーバーオールの負帰還入力として、全体で差動出力の電圧帰還型反転アンプを構成しています。

この回路は多重帰還増幅器の検討のために設計したもので実用を想定していないため参考専用です。
Download diffamp4-0.22.asc — the schematic file for the LTspice XVII.
シミュレーション結果
周波数特性

過渡応答特性

歪特性

9次までの全高調波歪 THD ≃ 0.18 % (Rload = 2 kΩ, Vin(p-p) = 2.8 V, fin = 100 kHz, Vcc = 5 V)

注記: LTspice XVII で精密な歪み率解析をするには
-
.options plotwinsize=0 numdgt=15
をつける。
- maxmum timestep を解析周波数の1サイクルの時間の 1/1000 以下にする。
e.g. 10 kHz → 1 / (10kHz * 1000) = 100 ns
- THD 解析の場合シミュレーション時間を3周期以上とする。
FFTスペクトラムを程々の分解能で見たければ 2×3×5 = 30 サイクル分を推奨。
e.g. 10 kHz → 30 cycles / 10 kHz = 3.0 ms
See also
External link
- SPICE3 — The Spice Home Page
- LTspice — High performance SPICE simulator software



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